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第6回民友新聞掲載 平成27年9月29日朝刊(掲載許可済) 

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 ・福島市
   福島大学名誉教授
   日本木球連盟会長
   国際木球連盟副会長
        新 谷 崇 一 氏




         棚からぼた餅
                                 新 谷 崇 一


 紺碧の空から照りつける太陽の日射しはジリジリと肌に焼きつくが、さわやかな風が吹き抜け、あまり蒸し暑さを感じさせない。
 ここはインドネシアの9月のバリ島。成田からソウル経由で約10時間かけて、州都デンパサールにたどり着いた。目的は第8回アジア大学木球選手権大会に出場するためである。日本チームは団長、監督、コーチと選手の男性6名、女性2名の一行、11名である。ホテルに到着したのは大会初日の9月4日午前2時半。睡眠不足のまま、午前9時の開会式に出席し、午後1時半からのシングルスに臨むことになった。
 日本チームは打撃戦に出場し、シングルスとダブルス、そして男性のみ団体に登録した。大会初日の午後はシングルスが行われ、暑いなか、眠い目をこすりながら選手たちはプレーをしていた。海外選手はスコアを伸ばしていくが、緊張と疲労のせいか、日本選手はOBを繰り返し、その差は 開いていくばかりである。暑さと眠気で集中力も途切れ、思うように差を縮めることができない。結局、シングルスは三角形の底辺を日本チームが占めることになった。残るはダブルスで起死回生を図るのみである。
 シングルスを終えた初日の夜はウエルカムパーティーである。睡眠不足と疲労で伸びなかった成績に、意気消沈している学生たち。そのような学生たちを歓迎してくれたのはレゴンダンスである。大きな目としなやかな指で表現する踊りに学生たちは見入っていた。大会2日目は同時開催のインドネシアオープン国際木球選手権大会のため、日本チームの出番はない。島内観光にした。学生たちは安心して眠りについた。
 島内観光で気分一新。大会3日目はダブルスで、午前9時開始。2人で1個のボールを交互に打つ。1人ではないので心強い。しかし、練習不足か、2人の息はなかなか合わない。ここでも世界のレベルは高く、ダブルスも三角形の底辺を占めた。惨敗である。
 しかし、団体戦は1カ国から1チームのみの入賞という朗報が入り、日本チームに銅メダルが転がり込んだ。最終日の表彰式で、棚からぼた餅である。暗かった学生達の顔が満面の笑みに変わった。この笑顔が、発展途上にある日本の木球の原動力になるものと期待しながら、私たちはデンパサールをあとにした。 



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