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管理人: 新谷
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第1回民友新聞掲載 平成27年4月4日朝刊(掲載許可済) 

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 ・福島市
   福島大学名誉教授
   日本木球連盟会長
      新 谷 崇 一 氏



         私と読書
                                 新 谷 崇 一

 私は小学生のころ、1冊の本を読み上げた記憶がない。読んで、感動を覚えた記憶もない。決して自慢できる話しではないが、今ではこのような小学生は珍しいのではないだろうか。  
 子どもと本との出会いが大切であるとさけばれている昨今、本との出会いがなかった私は不幸な子どもであったのか。しかし、不幸であると一度も感じたことはなかった。私にはやることがいっぱいあった。
 松岡享子氏は自著「子どもと本」(岩波新書)の中で、子どもを本好きにするには「生活のなかに本があること、おとなが読んでやること、子どもを本好きにするのに、これ以外の、そして、これ以上の手だてはありません」といっている。共働きであった両親においては、読み聞かせなどは到底、無理な話しであった。だからといって、親を責めているわけではない。
 なぜ、本を読まなかったのだろうか。 それは私の性格にあるようだ。小学生のころ、学校から帰ってきたら、カバンを放り投げ、すぐ外に飛び出し、木登りや、川で泳いだりして、友だちと遊び回っていた。つまり、ジッとしてはいられなかった。私がジッとしているときは雨の日である。外で遊ぼうにも、遊べないので家でジッとしているしかなかった。でも、私は雨の日が好きであった。それは雨の音を聞いていると心が落ち着くからである。今になって考えると、私は読書が嫌いではなかったと思う。それ以上に動き回る方が好きで、読書をする時間が取れなかったのでは。
 福島市のある小学校では「読書のページ貯金」という読書量の記録をつけている。図書館から借りて読んだ本のページを積み重ねていくもので、1千ページからスタートして、1万ページ以上まで記録する。おもしろい取り組みである。記録を見ると、上位には6年生と4年生が多く、5年生はほとんどいなかった。学年による時間的余裕の違いによるものだろうか。
 松岡氏は「子どもたちに、豊かで、質のよい読書を保障するには、社会が共同して、そのための仕組みを創り、支えていくことが必要」と図書館、とくに児童図書館や学校図書館の充実を強調している。
 私が、機会があって素晴らしい本と出合い、図書館に通う子どもであったら、今の私は存在していないかもしれない。


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